前回は中旬までのデータでしたが、今回は10月末一杯のデータでの分析です。また、通常の検索ボリュームの話以外にグルメ媒体のアクセス数についても記載していきたいと思います。緊急事態宣言が明けたにも関わらず、まだ団体での飲みを避ける傾向はあり、グループ予約を主体としたグルメ媒体での集客の戻りはまだ弱いです。一方当日の近隣検索は戻ってきているためGoogleマイビジネスの閲覧は増えています。これまでの集客手法だけでは取れないシーンも出てきていますので、SNS(ショート動画も含む)やGoogleマイビジネスといったものも含めて集客を考えていく必要があります。
目次
- ◎まとめ
- 1.業態系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
- 2.利用シーン系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
- 3.グルメ媒体系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
- 4.テイクアウト、デリバリー系ワード(東京、神奈川、大阪、福岡)
- 5.食べログ、ホットペッパー、googleマイビジネスのアクセス数昨年比較
◎まとめ
【業態系ワード】
・『居酒屋』『バル』といった飲み関連ワードを除くとコロナ前の水準まで戻ってきています。
・10月中旬時点よりも月末にかけて居酒屋の検索ボリュームは昨対で90%くらいまで戻ってきていますが、『居酒屋』『バル』といったワードは、昨年のgoto下でもコロナ前の半分くらいでしたので、以前コロナ前と比較するとまだ半分程度となっております。
(大阪に関しては『居酒屋』ワードの戻りが昨対81%と他エリアよりも若干悪い)※下記は、2021年10月の検索ボリュームの昨対です。
【利用シーン系ワード】
・こちらのお出かけ・買い物需要系のワードはコロナ以前の9割くらいまでは戻してきています。
お酒の絡む夜系の『レストラン』『ディナー』は『居酒屋』同様にまだ、回復が弱いです。
【グルメ媒体系】
・グルメ媒体系は、昨年のgotoの恩恵がないために昨年対比では大幅に落ち込んでいます。ただ元々が、コロナ前からダウントレンドであったため、そもそもコロナ以前レベルには戻らないと思われる。
・『一休』だけは、コロナ以前から微増していましたので、まだ伸びる余地はあると思います。
・今のところは、媒体での検索がダウントレンドを加味しても落ち込んでいるので、ネット予約の売上構成が高かったお店は依然苦しい状態かと思います。とはいえ検索ボリュームが戻ってきてはいるので、媒体内での上位表示は重要な要素ではあるのは間違いないです。
※媒体名での検索は減少トレンドですが、エリア+業態(例:新橋 居酒屋)での検索をした際に媒体が上位に表示されるので、結果媒体のページを見ている人は依然多いです。
その媒体を狙い撃ちで使っている人は減っているということです。一方でアプリへ移行して継続的に使っているリピート層もいるのは事実。別途、媒体ごとでの直営のお店のアクセスの比較も後ほどしています。
【テイクアウト、デリバリー系ワード】
・テイクアウトは一定の検索ボリュームを持ったカテゴリーに成長。
・デリバリーは、アプリ上で新しいマーケットを創造していっている。
・今後の環境変化を考えると以前のイートインだけでのモデルでいいのか?は考えるべき。立地環境は、人口構成や働き方、あらゆる産業のDX化で変わることを意識すべき。
【食べログ、ホットペッパー、googleマイビジネスのアクセス数昨年比較】
・業態ワードの検索ボリュームに対してのグルメ媒体のアクセスの戻りは大幅に悪い。
・当日の近隣検索はmap検索に移行がどんどん進んでいる。媒体だけでなく、マイビジネスの強化も図っておくべき。
↓2021年10月のアクセス数の昨年対比↓
1.業態系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/10/31 2021/11/2に取得)
【業態系ワードの推移比較】(居酒屋、イタリアン、バル、焼肉、寿司)
【ワードボリューム昨年同月対比】
↓2021年10月末↓
↓2021年10月15日(中旬)時点↓
10月中旬時点よりも月末にかけて居酒屋の検索ボリュームは戻ってきています。昨年の10月がgotoキャンペーンのおかげで伸びていたことを考えると戻りとしては悪くなく、『居酒屋』『バル』といった飲み関連ワードを除くとコロナ前の水準まで戻ってきています。
一方、『居酒屋』『バル』といったワードは、昨年のgoto下でもコロナ前の半分くらいになっておりましたので、以前コロナ前と比較すると半分程度となっております。
2.利用シーン系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/10/31 2021/11/2に取得)
【業態系ワードの推移比較】(ランチ、カフェ、ごはん、レストラン、ディナー)
【ワードボリューム昨年同月対比】
こちらのお出かけ・買い物需要系のワードはコロナ以前のレベルまでは戻ってきていませんが、おおむね9割以上までは戻してきています。
お酒の絡む夜系の『レストラン』『ディナー』は『居酒屋』同様にまだ、回復が弱いです。
3.グルメ媒体系ワード(東京、神奈川、名古屋、大阪、福岡、北海道)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/10/31 2021/11/2に取得)
【グルメ媒体系ワードの推移比較】(ぐるなび、食べログ、ホットペッパー、ホットペッパービューティー、一休)
【ワードボリューム昨年同月対比】
グルメ媒体系は、昨年のgotoの恩恵がないために昨年対比では大幅に落ち込んでいます。ただ元々が、コロナ前からダウントレンドであったため、そもそもコロナ以前レベルには戻らないと思います。
『一休』だけは、コロナ以前から微増していましたので、まだ伸びる余地はあると思います。
今のところは、媒体での検索がダウントレンドを加味しても落ち込んでいるので、ネット予約の売上構成が高かったお店は依然苦しい状態かと思います。とはいえ検索ボリュームが戻ってきてはいるので、媒体内での上位表示は重要な要素ではあるのは間違いないです。
4.テイクアウト、デリバリー系ワード(東京、神奈川、大阪、福岡)
Googleトレンド (期間2012/1/1~2021/10/31 2021/11/2に取得)
【テイクアウト、デリバリー系ワードの推移比較】※週次推移です。
【ワードボリューム昨年同月対比】
【デリバリーアプリ名の検索ボリューム推移】
イートインが再開してきたので、テイクアウトやデリバリーをやめた店舗様も多いかと思いますが、個人的には今後のリスクヘッジ&伸びていく可能性のあるマーケットではあるので、引き続き行っていく方がいいとは思っています。
テイクアウトについては、検索上も一定ボリュームのマーケットが形成されていますし、デリバリーに関してはアプリ上で新しいマーケットが創造されつつありますので、店舗の成長戦略として加味しておいた方がいいかと思います。
背景としては、人口減や労働環境の変化、作業のロボット化、AI化といったDX化があらゆる産業でも進んでいきます。これまでと同じ立地であっても周りの環境が変わることが容易に想像できますので、今までの事業モデルだけで成り立ちえるのか?も考える必要があるでしょう。
5.食べログ、ホットペッパー、googleマイビジネスのアクセス数昨年比較
店舗数が減少してしまったため、把握できるエリアが少ないのですが、その中でのアクセスを比較しました。母数が少ないので、参考値としてみていただければと思います。本来はぐるなびもやりたかったのですが、解約してしまったために数値が見れません><
下記が各媒体のアクセス数の昨年対比です。食べログ、ホットペッパーに比べてマイビジネスの戻りがいいです。下記の店舗は居酒屋系のお店が多いのですが、『居酒屋』ワードが昨年対比90%に対し、グルメ媒体系のアクセス数は新橋を除くとかなりの乖離があります。恐らく、事前に計画する予約ニーズというよりも当日の近隣検索をしている人が多いためにこのような結果になっていると思います。ここから示唆されるのは、宴会予約系以外での当日検索はマップ検索(googleやyahoo、この先apple mapもあるかも)に移行してきているということ。このあたりの対策も今後、重要となってくるでしょう。